コムドット やまと「聖域」より

この記事にアクセスしてくださったということは、あなたは少なからずコムドットに興味がある方なのだろう。

ご存じの通り、いまや「YouTuber影響力トレンドランキング」の2位にランクインする今をときめくクリエイターだ。

コムドットのリーダーやまとは、その強気な発言がTwitter上でたびたび炎上しているが、今回ご紹介する「聖域」は、そんなやまとの違う一面を知ることができる。この本を読み終えた頃には、きっとやまとに対する印象がこれまでとは違ったものに変わっていることだろう。

 

 

「聖域」には、やまとを深く理解するための仕掛けがふんだんに盛り込まれている。

 

もう一人の自分である、"鈴木大飛"という人物を登場させることで、やまとという人物の輪郭が明瞭になり、やまとがただの自信家で態度がでかいわけではないことが理解できる。

やまと自身、根っからのナルシストであることに間違いはないが、それでも自分のすることに迷い、人からの評価や意見を積極的に取り入れている。ナルシストといえば人の意見を聞かない、むしろ必要としないイメージをお持ちかもしれない。わたしもそうだった。しかし、これだけの若者がやまとに興味を持つ理由の一つに、他者や鈴木大飛という自分の声に耳を傾けながら修正する姿を持ち合わせているから、ナルシストでありながらこれだけ支持される所以なのではないかと思う。

鈴木大飛という人物は、一見すると暴走とも見える態度のやまととは違い、冷静に状況を判断し分析を得意とする考え方を持っている。そういった部分を持ち合わせながら戦略的に"やまと"が作り上げられたと考えるとあなたはどう思うだろうか。

やまとは、目標とするリーダー像を定めることで、敢えて人前で自信に満ち溢れた態度で臨むことを選択しているのだ。これは重要な点である。この本には、自分の武器(強み)の気付き方と、目的に標準を合わせた、強みを生かした自分の売り出し方を学ぶことができる。

 

本書は、やまとの考えを通して、自己啓発あるいはキャリア形成を学ぶような側面も持ち合わせている。文体はやまとの言葉がストレートに綴られており、あっという間に読み進めることができる一冊だ。

やまとを好きな人はより好きになるだろうし、やまとのことを好きでなかった人でも、彼の魅力に気づかざるを得ない作品となっている。もしかすると、これまでやまとに感じることがなかったであろう親近感を覚える人もいるのではないかと思う。

総じてオススメの一冊だ。f:id:Horsetail:20220306081600j:image